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過去記事です。

「ほんとに分かってる?外部被ばく・内部被ばく 福島の今、東京の今」おしどりさん講演まとめ―被曝を調べようとする方々には圧力がかかる!

「ほんとに分かってる?外部被ばく・内部被ばく 福島の今、東京の今」

この日の講演は矢ケ﨑克馬先生とおしどりさんの2本立て。
おしどりさんの講演会のまとめを記します。


矢ケ﨑克馬先生のまとめはこちら

おしどりさんの過去記事
2011年10月28日 東電・政府に厳しいツッコミの漫才師おしどり たね蒔きジャーナル「記者会見に参加する理由」
おしどりマコさんがアップした東電のビデオ会議の動画。テレビ朝日が著作権侵害を訴える!フジテレビも参戦!!
【続報】おしどりマコさんがアップした東電のビデオ会議の動画の著作権問題。一段落。
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被曝を調べようとする方々にはいろんな圧力がかかっているんです。


チェルノブイリの事故で唯一認められている健康被害が子どもの甲状腺がんです。でも、これは目くらましではないかと思っています。しかし、甲状腺以外の健康被害もあります。ですので、甲状腺だけを取り上げるのはどうかなといつも思ってるんです。でも、それですらきちんと調査されているのか疑問があります。


◆甲状腺エコーの画像

福島県では18歳以下の子どもたちの甲状腺エコーをとっています。その甲状腺を撮った画像をもらえないという問題が起きています。

4さいの子どもに3mmの結節ができて大丈夫だと言われたけど、甲状腺の画像がもらえないかと医師に伝えると、福島県庁からの回答で情報開示請求をして下さいということで、自分の子どもの画像が手に入らないのです。


◆原発事故以前から甲状腺の検査を行っている親子

また、福島の親子で、原発事故以前からお母さんが甲状腺を患っておりました。甲状腺は母親と娘の顔みたいにすごくそっくりで、遺伝する(正確には移行するという表現)のです。ですので、その子どももひょっとすると思春期になるとお母さんと同じ甲状腺の病気になるかもしれないのです。そのため、中学生になったら定期的に甲状腺の診察をしましょうということで、原発事故以前から娘さんはずっと福島の病院で甲状腺エコーを撮って、診察を定期的に受けていた。

ずっと定期的に診察を受けていたんですけど、2011年6月に福島の病院に行って甲状腺エコーを撮ると、その画像を突然もらえなくなるんです。お母さんが驚いて、「うちの子どもは原発事故じゃなくて、私の病気が移行するかもしれないからということで、事故前からずっと甲状腺エコーを受けて、そして全部画像をもらってますよね、私全部ノートに貼ってます。なんで今回もらえないんですか?」と聞くと、「いや県がそういう風に決めたので」ということでもらえませんでした。

昨年の10月に突然寒がり始めました。そんなに寒くないのに、4枚も5枚も着込んで寒い寒いとがたがた震えだしました。甲状腺機能障害が発症するときにそういう風に体温調節できなくなることもありますので、驚いて福島の病院に連れて行って、うちの娘がこういう風に甲状腺機能障害になったかもしれないから診てくださいと言いました。「いや、あなたのところの娘さんは、6月に見たのでまだ4か月しかたってないので、2年後じゃないと見れません」と。うちの子は原発事故じゃなくて、事故前から私の病気のせいでずっと検査してますよねと言ったけど、結局診てもらえなかった。

最終的に、東京の病院に来て、甲状腺の検査を受けて、全部画像とか血液検査のデータももらって帰りました。

もう、普通に医療が受けられない現状になってます。


◆東京の開業医の先生―甲状腺エコー

東京の開業医の先生で、被曝を心配している方々にも普通に診察している先生がおります。甲状腺エコーをとってほしいと言えばとるし、血液検査をしてほしいと言えばとる先生。昨年の12月から行っていた。

そこの病院が驚くことに、それまでは子どもの甲状腺エコーを保険診療していたけど、今年の5月から子どもの75%の甲状腺エコー画像のエコーの保険を突然切られました。大人は認められているが、子どもだけはねられました。5月6月と続けて。マコさんの知る限り、東京や関東近郊で子どもの甲状腺エコーをとっている先生方は全部自費診療です。

その開業医の先生だけが保険診療。お母さんの負担が減るように保険を効かせていた。突然5月からはねられました。資料を全部見たけど、甲状腺エコーのはね方が、例えば双子で一人認めてもう一人は認められないという、ランダムに行われていました。家族で来てて、お母さんと似ていることが多いので、お母さんも甲状腺エコーを受けるんだけど、お母さんは保険がきくのです。

保険ではねられるということは、自費で患者に費用を求めない限りは、その病院が検査費用を全額かぶらなくてはならないということです。

道を歩いていて、こけて、足が痛いから、骨が折れてるかもしれない。だから、レントゲンを撮るのは保険診療で当たり前の話。同じように、原発事故があって被曝したかもしれない、ひょっとしたら甲状腺の異常があるかもしれないというのは当たり前のこと。被災地の方が交通費をかけて、東京の病院に来て甲状腺エコーをとって、それで自費診療だと1人1万円超えちゃうんです。

このままいくと経済的に大変ですし、保険ではねられるとわかっていて甲状腺エコーを撮り続けると、社会保険事務所から目を付けられて、呼び出されてしまう。個人保険指導とかいろいろ実際圧力がかかってきてしまう。今後をどうしていくか話し合っているところです。

福島だけでなく、東京でも始まってしまったという印象です。


◆東京の開業医の話―心電図

もう一人の東京のお医者さまの話。そこの病院は心電図が撮れます。原発事故以後気を付けていろいろ自分のところで調べているところです。その心電図でそこにいる看護師さんや若い方々を撮ると、予想以上に心電図に異常が見られました。東北出身の若い学生とか看護師さんとか療法士さんとか。実家が宮城とか福島とか。おじいちゃんやおばあちゃんの作ってるお米を送ってもらって、毎日それを食べるという若い子の心電図に異常が出てしまいました。


◆ICRPのグラフ

ICRP(国際放射線防護協会)「ICRP Publication 111原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用」



1000ベクレルのセシウムを137を摂取した場合(3)と、毎日1ベクレル(2)または10ベクレル(1)のセシウム137を摂取した場合の、複数年、1000日なので3年弱にわたる変化を表したグラフです。

1000ベクレルを一気にとり、その後取りこまないと排出されます。しかし、慢性的にちょっとずつでも摂取するとどんどんたまっていきます。ベクレル数が少なかったら大丈夫だというお話もあるんですけど、摂りつづけるのはよくないというのはICRPでさえも言っていることです。


◆ピーチプロジェクト
大阪の子どもたちをふくしまの伊達に夏休み連れて行って、ももの食べ放題をしようというピーチプロジェクト。これはすぐなくなりました。でも、対象が大人や大学生になりました。

主催は「福島ステークホルダー調整協議会」

風評被害で農産物が売れないから何とかしようというのはわかるが、外から小学生を連れてきて食べ放題をさせるアピールなんかしてほしくないし、福島の小学生にも桃の食べ放題してほしくないし、子どもを使うこと自体をやめてほしい、どうせなら、福島の子どもを汚染されていない地域に連れて行って果物の食べ放題をさせてほしいという声が福島から出ました。


詳細はこちらをどうぞ!


第49回 ピーチプロジェクトから、 福島県内の放射線アドバイザーについて考えた件。(マガジン9)




福島ステークホルダー調整協議会とは簡単に言うと国の予算でできていて、「心の除染プロジェクト」。えらい話だ!!


事務局長の半谷氏(放射線安全フォーラム会員)
放射線安全フォーラム副理事長は田中俊一




ICRP(がALARAの精神を強調するの)は本当に罪深いと思うが、それ以上に憤慨を覚えるのは、深く考えることもせずにその勧告をそのまま受け入れるという、この国の制度設計の監視役とそれに協力している“御用学者”の意識と能力の低さである。この国では、社会の各層で大変な“学力低下”を来していると嘆きたくなる所以である。放射線安全フォーラム

放射線安全フォーラムにとって、ICRPが危険をあおっていて、ICRPの勧告を受け入れている日本政府や学者たちは、何も考えずに一緒に放射線の危険をあおっている御用学者だと言っています。斬新な表現です。

※ALARA(As Low As Reasonably Achievable)
ICRPが1977年勧告で示した放射線防護の基本的考え方を示す概念。「すべての被ばくは社会的、経済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」という基本精神に則り、被ばく線量を制限することを意味している。


同じページの放射線副読本について。

<小学生向け>

「放射線を受ける量はできるだけ少なくすることが大切です」→「必要のない放射線はできるだけ浴びないようにすることが望ましいけれども、私たちの住む世界には、もともと自然の放射線が結構な量あるので、ある量以下に下げようと思っても出来ることではないし、また意味のないことです」放射線安全フォーラム


中学生も高校生も同じように書き換えてます。酷いです。



東京にいても食べ物のこととか、3月4月の吸い込んでしまったこととか、全然安心できることではないので怖いなと思いました。

原発事故で放射性物質だけでなく、有害な化学物質が排出しているのではないか。
PRTR制度に関して、環境省と東京電力に聞いていても、今は放射性物質が緊急なので化学物質は調べていませんと。キシレンとかトルエンとか。一斗缶で保管していたという話までは聞きました。

事故直後に飯館村の人たちが放射性プルームが3月15日に通った時に、口の中で鉄の味がしたとか、顔が脂ぎってしまいすごく顔を洗ったとか、すごく赤ら顔になったとかいろいろな話を聞きました。また、福島では皮膚疾患がすごく多かったとのこと。これは、放射性物質の可能性がありますし、有害な化学物質がどうなったのかが気になるところです。


おしまい



矢ケ﨑克馬先生のまとめはこちら



おしどりさんの過去記事
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