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過去記事です。

セシウムはベータ線を出してバリウムに変わって、バリウムはガンマ線を出す。2本の放射線を出します。矢ヶ崎克馬氏(1/2)

矢ヶ崎克馬氏がたね蒔きジャーナルに出演した2011年7月20日の回を文字起こし。

セシウムによる内部被曝、埃についた原子の数などに言及してます。

(後半はこちら)
内部被曝により変成された遺伝子の恐ろしさ。1つは晩発性のがん、もう1つは子どもや孫に伝わること。矢ヶ崎克馬氏(2/2)


セシウムはベータ線を出してバリウムに変わって、バリウムはガンマ線を出す。2本の放射線を出します。矢ヶ崎克馬氏

20110720 [1/2]たね蒔きジャーナル 「隠された"内部被曝"の真実」



(文字起こしここから)

水野:
たね蒔きジャーナル今日の特集です。近藤さん。

近藤:
はい

水野:
今日のテーマは内部被曝の恐怖です。内部被曝ってものが相当怖いもんだということは私もだんだんわかり始めているようなんですが、ただ内部被曝という言葉すらですね、私は今度の3月11日以降に小出先生に聞いて初めて聞いて知ったんですよ。

さあ、この内部被曝というものが一体どれくらいのものなのか、今日はですね、早くから内部被曝の恐怖について指摘してこられました物理学者でいらっしゃいます琉球大学名誉教授の矢ヶ﨑克馬さんに伺います。矢ヶ﨑さんはじめまして。こんにちは

矢ヶ﨑:
はい。こんにちは。矢ヶ﨑です。はい

水野:
こんばんは。よろしくお願いします

近藤:
どうも。毎日新聞の近藤と申します。よろしくお願いします

矢ヶ﨑:
こちらこそよろしくお願いします

水野:
あの、この内部被曝というもの、例えばですけれども、今問題になっております、セシウムが大量に検出されたわらを食べた牛は、これ内部被曝したってことになるんですよね

矢ヶ﨑:
そうですね。あの、内部被曝というのは放射能の埃をですね、あの、吸い込んだり食べたりして、それで体の中から放射線が出てくる、その放射線に被曝してしまうという意味で、内部被曝という言葉を使っております。

外部被曝というのは、放射線が体の外からやってくる場合を指しますけれども、牛が食べて、食べたわらのなかに放射性物質が含まれていて、牛がお腹の中にある食べ物からどんどん放射線が出てしまうわけですね

水野:
出てくる。はー。その牛肉を私達が食べますとまた私達の体の中に放射性物質が入って、それがずーっと体の中から放射能を出すってことですよね

矢ヶ﨑:
そうですね。ええ、あのー、結局放射能というのは、煮ても焼いても水に(聞き取れず)ても、放射性物質というのは変わらないもんですから、体の中に入れてしまうとそれで内部被曝をするということになりますね

水野:
ずっと続くということですよね

近藤:
体外へ排出されるちゅうこともあるんですか

矢ヶ﨑:
ええ。あのー、例えば血液に溶けこむような水溶性の物質ですと、おしっこになったり、排泄されるたびに外に出ていくということで、やっぱり生物学的半減期と申しますけれども、だいたい体の中に入った量が半分になる期間がおおよそ定まっているという、そういうことで体の中からはどんどん減少いたしますけれども、ただし、骨とか特定のこの臓器のところにですね、定着してしまうと体の外には出ないということになりますので、こういう部分がずっと長期的に被曝を指していくことになりますね

近藤:
そうすると、放射性物質のその種類と器官・臓器との関わりになるわけですね

矢ヶ﨑:
そうですね。ええ

近藤:
じゃ、今のセシウムは

水野:
セシウムはどうですか


矢ヶ﨑:
セシウムはですね、物理的な半減期と言いまして、生物の体の中に入るわけではなくて、そのまんまセシウム137なんかをほっとくと、約30年かかって半分になるっていう、そういう放射をいたします。これが物理的半減期と呼ぶんですが、あー、セシウムが体の中に入ってしまった場合、人の体の中では約100日で半減期、生物学的半減期は100日っていうふうに、そんなことが一応観測されております

水野:
100日で半分になる

矢ヶ﨑:
ええ

水野:
ということは、えーこれ結局、ゼロにはなかなかならないんでしょう、ゼロに近づくためには何百日、300日とか400日とかでだんだんゼロには近づいていくわけですよね

矢ヶ﨑:
そうですね。あの、100日で半分になり、また100日経てば、あの、はじめからの4分の1になり

水野:
4分の1になり

矢ヶ﨑:
っていうように、半分半分になっていく日にちが100日というふうに言われております

水野:
でも、ゼロにならない限り、ずーっとそこから放射能は出るんですね


矢ヶ﨑:
ええ。あの、内部に放射能、放射線がずーっと出続けてですね、あのー、内部被曝の場合には、えーっと、このセシウムですと、セシウムがベータ線を出してバリウムというものに変わって、バリウムがガンマ線を出してですね、体の中ではベータ線を出して、さらにバリウムがガンマ線になるというそういう、あの、2本の放射線を出しますけれども、外部被曝でモノを言う人はですね、セシウムは本当はベータ線しか出さなくて、その後、バリウムがガンマ線を出すもんですから、セシウムもガンマ線だなんて言ってしまっておりますけれども、あの、これは外部被曝の方はガンマ線しか勘定しないっていう見方をして、とてもこれは内部被曝をきちっと正確に見ているわけではありませんで

水野:
ええ

近藤:
先生。ベータ線のほうが蓄積しやすいわけですね

矢ヶ﨑:
えーと、ベータ線の方がですね、あの、体ん中で、えーと、分子を切断するという作用が、放射線の作用であるわけですけれども、分子を切断するという密度がガンマ線よりも遥かに密度が高い形で集中的に行われます

水野:
ええ~。はい

矢ヶ﨑:
それで、内部被曝が特に怖いのはですね、福島、東電福島原子力発電所からの埃もそうなんですが、放射性物質がですね、原子が1個だけで飛び出すんではなくて、微粒子あるいは放射性の埃だなんてもう表現されますけれども、原子がですねたくさん集合した状態で、あのー、粒になっているという。それで、例えばですね、1μm(1マイクロメートル)の直径といいますが、1μmは1000分の1ミリメートルですけれども


水野:
1000分の1ミリ

矢ヶ﨑:
ミリメートル。これを、この粒はもう目に見えない

水野:
見えないでしょうね。そらね

矢ヶ﨑:
見えないですね。ただ、この1粒の埃の中にですね原子の数が大体1兆個の原子が

水野:
1兆も入っているんですか?原子…

矢ヶ﨑:
ええ。あの、ミクロに見ればね、すごい数なんですね。それでこういう埃が体ん中に入ってしまうと、1兆個も放射性の原子があるもんだから、どんどん同じ場所からベータ線がでてくるんですね

近藤:
うん

水野:
えー

矢ヶ﨑:
で、同時に、バリウムという原子に変わっても、その原子そのものは同じ原子の名前だけ変わるということになるもんですから、やっぱりガンマ線も同じ場所から出てくるということになってますので

水野:
はー

矢ヶ﨑:
内部被曝の場合には相当集中した被曝がなされます

水野:
はー、同じ場所から集中して放射能が出てくる。そこが怖さの一つなんですね

矢ヶ﨑:
そうですね。それで、あの、この怖さがですね、えっと、放射線が電離作用という呼ばれていますが、電子を原子から吹き飛ばしてしまうということで、結局その作用はですね、あのいろいろな生体の分子がありますけれども、分子を切ってしまう、切断してしまうという効果が、をもたらしますので


水野:
言ったら、体の組織がもうバラッバラに細かい部分で、ものすごい細かい単位でバラッバラに引き裂かれてしまうようなもんですわね

矢ヶ﨑:
そうですね。それでね、この分子切断がなされてもですね、また生物の修復機能というもんがあのかなりたくさん働いて

水野:
元に戻す力があるんだ

(後半に続く)
内部被曝により変成された遺伝子の恐ろしさ。1つは晩発性のがん、もう1つは子どもや孫に伝わること。矢ヶ崎克馬氏(2/2)



隠された被曝  小出裕章 矢ヶ崎克馬 3・11原発事故を語る (書きおろし・内部被曝の危険(矢ヶ崎克馬))  内部被曝 (岩波ブックレット)  
ひろがる内部被曝 Q&Aプラス最新解説

たね蒔きジャーナル
矢ヶ﨑克馬氏出演分


◆2011年7月20日出演分
セシウムはベータ線を出してバリウムに変わって、バリウムはガンマ線を出す。2本の放射線を出します。矢ヶ﨑克馬氏(1/2)

内部被曝により変成された遺伝子の恐ろしさ。1つは晩発性のがん、もう1つは子どもや孫に伝わること。矢ヶ﨑克馬氏(2/2)


◆2011年7月25日出演分
原爆による放射線の影響には2つあり、1つは瞬間的に起こった初期放射線、もう1つは核分裂により作り出されたたくさんの放射性の埃による内部被曝。。矢ヶ﨑克馬氏(1/2)

(内部被曝で)一番危険度の高い遺伝子の切断、それから遺伝子が切断されただけでなく、生物の修復作用があって、つなぎ間違ってしまって、遺伝子が組み替えられてしまう。矢ヶ﨑克馬氏(2/2)


◆2011年8月1日出演分
(作業員の限度値を上げたのは)労働者の命を軽視する非常にやってはならない決め方―矢ヶ﨑克馬氏(1/2)

外部被曝的にガンマ線で捉えた線量を600倍すると内部被曝の酷さがわかる―矢ヶ﨑克馬氏(2/2)

◆2012年4月16日出演分
甲状腺に溜まるのはヨウ素だけでなくセシウムなども溜まり、嚢胞やしこりの原因となる―矢ヶ﨑克馬氏(1/2)

市民の皆さんは100ベクレルで大丈夫だとか、50ベクレルまで大丈夫だとか、そういう考え方を絶対しないでいただきたいというのは、私、切に訴えます―矢ヶ﨑克馬氏(2/2)


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