コチラの記事からホールボディカウンターについての部分を抜き出しました。
放射線 放射性物質 Q&A 体内のストロンチウム測定できない大丈夫か
2012/11/04 11:13 福島民報
ホールボディーカウンターは体内の放射性物質の濃度を測定し、それを基に内部被ばく線量を推定する機器です。ホールボディーカウンターは、体を透過し、体外に出てくる放射線の量を測定します。ですので、透過力が低いベータ線を出す放射性物質があっても体を透過できず、測定もできません。 ガンマ線やベータ線を出す放射性セシウムと違い、放射性ストロンチウムはベータ線のみを出すため、ホールボディーカウンターによって内部被ばくについて測定することができないのです。 県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻) 高村昇さん |
ホールボディカンターはベータ線の測定ができないことを断言しています。
ということは、ストロンチウム90の崩壊系列は、
ストロンチウム90(β崩壊)⇒イットリウム90(β崩壊)⇒ジルコニウム90(安定) |
ということになり、安定するまでベータ線しか出さないので、県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大大学院教授(放射線医療科学専攻)の高村さんの意見をいただけば、ストロンチウム90はホールボディカウンターでは計測できないことになります。
次に、ヨウ素です。
ヨウ素131(β崩壊)⇒キセノン131m(γ崩壊)⇒キセノン131(安定) |
ということで、ヨウ素自身が出すベータ線は検出できず、ヨウ素がベータ線を出してキセノンに変化した後に出すガンマ線は検出されることになります。
最後に、セシウムはどうでしょうか。
セシウム137(β崩壊)⇒バリウム137m(γ崩壊)⇒バリウム137(安定) セシウム137(β崩壊)⇒バリウム137(安定) |
セシウム137の94.6%が上段のようにβ崩壊した後、バリウム137mとなり、さらにγ崩壊してバリウムになり安定します。残り、5.3%がβ崩壊した後、バリウムになり安定します。ということは、セシウムもホールボディカウンターでは計測できないということです。正確には放射性バリウムから出されるガンマ線ということになります。
ホールボディカウンターがベータ線を測れないということは、内部被曝の検査の目安にはならないということです。内部被曝は、アルファ線、ベータ線、ガンマ線が全て測れてはじめて正しい数値となるからです。ガンマ線しか測れないのであれば、内部被曝の一部としか言いようがありません。
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