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過去記事です。

ストロンチウムを少し詳しく知る―内部被曝を知る礎13

「内部被曝を知る礎」シリーズ。第12回。

放射性核種で、恐ろしいと言われるストロンチウム90。
そのストロンチウムはどういう物質かを少し詳しく書きます。

ストロンチウムの崩壊




ストロンチウム90は、物理学的半減期がおよそ29年。
体内の半減期が18年、生物学的半減期(骨)が50年です。
原子番号が38なので、陽子が38個、中性子が52個の原子です。



この原子は非常に不安定のため、放射線(ベータ線)を放出し安定に向かいます。この、ベータ線を出して別の原子になることをβ崩壊といいます。β崩壊したストロンチウムは、原子番号39のイットリウム90という全く別の原子となります。なぜ、このような変化を起こすのかの詳細は、新たなシリーズにて解説していきます。

イットリウム90は、原子番号が39なので、陽子が39個、中性子が51個の原子です。しかし、これも不安定なのです。ストロンチウムが崩壊してから、半減期64.1時間という非常に短い時間でベータ線を出し、ジルコニウムになって安定します。


ストロンチウムのポイント

(1)ストロンチウムは骨に親和性があります。


(2)ストロンチウムの崩壊系列は全てベータ線です。なので、ホールボディカウンターでは検出されません。


(3)骨にたまるため、排出が困難。生体内半減期は50年と言われています。


(4)ウラン235が中性子を受けて分裂する際にできる核分裂生成物で、セシウムとほぼ同程度の割合でストロンチウムが生成されます。そのため、尿中から1Bq/kgセシウムが検出されたら、ストロンチウムも体内にあるということ。



参考:
放射性物質の正体 山田克哉著
食卓にあがった放射能 高木仁三郎、渡辺美紀子著


放射性物質の正体 (PHPサイエンス・ワールド新書)
食卓にあがった放射能


内部被曝を知る礎

この内部被曝を知る礎という連続記事は、管理人の内部被曝を知るためのパワーポイント資料を元に少し手を加えて作成しています。

1.放射性物質、放射線、放射能の違い
2.放射性物質から放射線が出る映像
3.放射性物質は集団を形成し、埃にのって飛ぶ!
4.被曝の危険
5.被曝の初期症状
6.被曝による免疫力低下の恐ろしさ
7.外部被曝はガンマ線だけでなくベータ線も影響があります
8.内部被曝とは
9.内部被曝のイメージ
10.放射線によるDNAの切断と異常再結合
11.内部被曝により異常再結合が起きた染色体の画像
12.ヨウ素を少し詳しく知る
13.ストロンチウムを少し詳しく知る


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