「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」を読みました。
ここで管理人が気づいたポイントを紹介します。
今回の記事では、甲状腺への影響を改めて考察します。
◆はじめに・・・
甲状腺への影響について、管理人は小児甲状腺がんおよびしこりや嚢胞・結節の部分のみで話題にして来ました。もちろん、小児甲状腺がんは恐ろしい病気で、あってはならないと強く思っています。
しかし、「調査報告 チェルノブイリ被害の全貌」を読むと、それだけでは情報は全然足りていないことを痛感しました。
◆甲状腺への影響は小児甲状腺だけなのか?
「チェルノブイリ被害の全貌」から、いくつか抜粋します。
大惨事当時10歳未満だったウクライナ、ベラルーシ、ロシアの子ども11万9,187人を笹川プロジェクトの枠組みで診察したところ、甲状腺がん1例につき、740例の比率で甲状腺の病変が認められた(Yamashita and Shibata,1997)。別の調査研究では、診察した5万1,142人の子どもに、甲状腺がん1例につき1,125例の比率で甲状腺の病変が見られた(Foly,2002)
十代の少年少女5万人以上について診察記録を調べたところ、約14%に抑うつ障害があり、約15%の甲状腺に病変が認められた(Contis,2002)。
セシウム137による汚染が最大15Ci/km²[=3万7,000~55万5,000Bq/m²]だったブレスト州ストーリン地区に住む子宮内で被曝した子どもたちは、被曝から10年以上経っても、甲状腺に障害があった。こうした甲状腺障害には、サイロキシン結合グロブリン(T-4)の算出低下、トリヨードサイロニンの算出増加、男子のサイロキシン算出低下などがある(Sychik and Stozharov,1999a)
ここに紹介したのは、ほんの一部です。
これだけでを読んでも、小児甲状腺がんだけを見ても被害の全貌は一切つかめないことがわかります。
◆改めて甲状腺とは??
ヒトの甲状腺は、重さが15~20 g程度、上下方向に3~5 cm程度の長さがあり、H型(あるいは蝶が翅を広げたような形)をしていて、のどの部分で、甲状軟骨のやや下方に位置し、気管を前面から囲むように存在する。H型とは、甲状腺の左右の部分(右葉、左葉と呼ばれる)が上下にのびて発達しており、それらは、幅の狭い中央部(峡部)でつながっていることから。
超音波断層検査において、甲状腺の大きさは上下長が5cmまで、前後厚は1.5cmまで、峡部厚は4mmまでが正常とされている。
甲状腺からは3種類のホルモンが分泌されています。
その3種類のホルモンは、トリヨードサイロニン(甲状腺ホルモンの一つ)、サイロキシン(甲状腺ホルモンの一つ)、カルシトニンです。
これらのホルモンは、成長と発達、体温調節、カルシウム交換[カルシウムの骨への沈着と放出]などを制御しています。
甲状腺が放射線により損傷すると、サイトキシン、トリヨードサイロニン、カルシトニンの生産量低下につながり、そのため多くの体調不良を呼び起こします。
すべての放射能汚染地域で、非悪性の甲状腺疾患が顕著に増加している(Gofman,1994;Dedov and Dedov,1996)。この疾患群に伴う症状として、総称や海洋が治りにくい、毛髪の伸びが遅い、皮膚の乾燥、虚脱、脱毛、呼吸器感染症にかかりやすくい、夜盲症、頻繁な目まい、耳鳴り、頭痛、疲労および無気力、食欲不振(拒食症)、子どもの成長が遅い、男性のインポテンツ、出血の増加(月経過多性を含む)、胃酸の欠乏(塩酸欠乏症)、軽度の貧血などがあげられる。
驚きました。
甲状腺の影響というと、がんのことばかり頭にあったのですが、実はそうではなかったということです。
この中に気になる症状はありましたか?
管理人もいくつか当てはまります。
◆結論
福島県の子どもに小児甲状腺がんが増えているという視点だけでニュースは伝えてきます。もちろん、小児甲状腺がんはあってはならないと繰り返し述べます。しかし、その裏で、甲状腺に傷を負っている人が多数いることを忘れてはならないのではないでしょうか。まだまだ、読み込みが浅いのと、医学的知識がない状態で書いているので、もっともっと知っていこうと思います。
正直お高いですけど、チェルノブイリ原発事故で何が起きたのか、そして起きているのかを知る重要な報告書です。
1人1冊持っていてもいいのではないでしょうか?
記事が良かったなと思ったら、拡散していただけると嬉しいです( ^o^)ノ
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