肺ガンと骨のガン(白血病)が、内部被曝でのプルトニウムの最も恐ろしい影響です。
高木仁三郎氏の著書「プルトニウムの恐怖」にある、プルトニウムの内部被曝への影響についてまとめました。プルトニウムが体内に入る経路は、
呼吸を通じるか、口から飲んだり食べたりするものに混じって取り込まれます。
◆プルトニウムが呼吸を通じて入る事による内部被曝への影響
プルトニウムは直径が1ミクロン(1000分の1ミリメートル)前後の小さな酸化プルトニウムの微粒子となって空中を漂いやすいです。
このような酸化プルトニウムの微粒子は不溶性であり、呼吸を通じて口や鼻から吸収されると、気管や肺の繊毛(せんもう)に長い間沈着します。
恐ろしいのは、肺を構成する細胞の核に存在する遺伝子を、そのアルファ線の電離作用(※1)によって傷つけられることなのです。
さらに、遺伝子が傷つけられ、異常再結合(※2)を繰り返すと、やがてその細胞がガン化してしまうのです。
被曝をしてからガンの発症までの潜伏期間は、20年から30年経ってから現れることもあるので、因果関係がつかみにくい側面があります。
◆プルトニウムが飲食により、消化器系を通して取り込まれた内部被曝への影響
口から飲んだり食べたりして、消化器系を通して取り込まれたプルトニウムは可溶性です。この可溶性のプルトニウムがかなり危険を伴います。可溶性のプルトニウムは、胃腸壁をとおして吸収されやすく、吸収されたプルトニウムは主として骨に集まりやすいのです。これは、骨のガン、とくに白血病の原因となります。
改めて記します。
肺ガンと骨のガン(白血病)が、内部被曝でのプルトニウムの最も恐ろしい影響です。
※1
電離作用=原子と原子を結びつける力を持つペアを組んでいた電子を吹き飛ばしてしまう作用。これにより分子が切断されてしまいます。矢ヶ崎克馬先生講演会資料(第1章<2>図1)にあります。
※2
異常再結合=遺伝子が放射線に切断された後、免疫力により元に戻ろうとした際に、元の形に戻れずに間違って結合されてしまうこと
矢ヶ崎克馬先生講演会資料(第1章<2>図2)をどうぞ。
いずれ、ブログで改めて詳細を記事にします。
出典
「プルトニウムの恐怖」高木仁三郎著 岩波新書
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