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過去記事です。

福島県内の一般家庭の日常の食事からストロンチウムが検出。「十分低い数値」だからいいの?


一般家庭の食事からストロンチウムが検出されたニュースを福島民友ニュースが掲載。
検出された量からシーベルトに換算し「十分低い数値」と報道。
本当に記述はそれだけでいいのか?

ストロンチウムという物質を知って、低い線量でいいのかをもう一度考えたいです。

食卓にあがった放射能




3人分の食事からストロンチウム 県「十分低い数値」


県は9日、県内7方部の一般家庭で作られた78人分の日常の食事に含まれる放射性物質検査結果を発表、3人分の食事から1キロ当たり0.016~0.034ベクレルのストロンチウムが検出された。プルトニウムは全てから検出されなかった。
1日当たりの食事量と検出値から算出したストロンチウムの摂取量は最大0.071ベクレルで、仮にこの食事を1年間食べ続けた場合の年間内部被ばく線量は最大0.00073ミリシーベルト(0.73マイクロシーベルト)と試算された。
県は「日本人がもともと食品に含まれる放射性物質から受ける内部被ばく線量と比べても十分低い数値」としている。
日常食の調査は年齢ごとに1歳未満、1~12歳、13歳以上の3区分を設けて実施した。ストロンチウムは県北方部の1~12歳、13歳以上の食事各1人分、県中方部の1~12歳の食事1人分からそれぞれ検出された。
(2013年5月10日 福島民友ニュース)



福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果 (放射性ストロンチウムとプルトニウム)-福島県災害対策本部(原子力班)

もとの資料はコチラです。

福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果 (放射性ストロンチウムとプルトニウム)
福島県における日常食の放射性物質モニタリング調査結果 (放射性ストロンチウムとプルトニウム)

ストロンチウム90が検出されております。
この検査は、「1日分の朝・昼・夕の3食及び間食、飲料、外食等、調査対象者が飲食したもの(母乳は対象外)と同じものを回収し、これらを混合・撹拌して測定試料とした。」と文書にも書いてあります。ということは、混ぜて検査しています。原因物質の特定はできていないですよね…

ストロンチウム90は崩壊系列はすべてベータ線なので、ホールボディカウンターでは検出できません。さらに言えば、半減期はおよそ29年ですが、高木仁三郎氏によると体内の半減期は18年、生物学的半減期(骨)は50年とのことです。
ストロンチウムを少し詳しく知る―内部被曝を知る礎13

0.016ベクレルをシーベルトに換算し、「十分低い数値」とこのニュースでは表現しています。しかし、1ベクレルでも摂取し続けていけば、体内に蓄積されることはICRPでも認めていますし、さらに、放射性核種はストロンチウムだけではありません。この調査で言えば、セシウムも検出されています。
たとえ1日1Bqでも摂取し続ければ体内にたまっていく!

ICRP publication111
ICRP publication111

以下に大事なデータを掲載します。チェルノブイリ原発事故後、ウェールズにおいて、土壌中のストロンチウム90のレベルと出生時の体重が1500グラム以下の新生児の割合の相関関係のグラフです。



図3.7.  ウェールズにおいて、1983年から1992年にかけて生まれた出生時の体重が1,500グラム以下の新生児の割合(上の線)と、土壌中のストロンチウム90のレベル(下の線)(Busby, 1995)。
http://chernobyl25.blogspot.jp/2012/07/blog-post.html

このグラフを見れば、微量が危険であるのか、そうでないのか…
よくわかると思います。




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