福島第一元作業員「賃金、手当ピンハネ」 労働局に訴え「多重派遣」も（Tokyo Web）
東京電力福島第一原発事故の収束作業に携わった長崎県出身の元作業員男性（４５）が二十六日、下請け上位の日栄動力工業（東京都港区）が職業安定法と労働者派遣法に違反する多重派遣をしていたとして東京労働局に訴え出た。二十七日には、多重派遣のほか約束された賃金が支払われていないとして、長崎県内の下請け会社四社を長崎労働局などに訴え出る。 |
東京労働局に対して、日栄動力工業が職業安定法と労働派遣法に違反する多重派遣
長崎労働局に対して、多重派遣のほか約束された賃金が支払われていないことに対し、長崎県内の下請け会社4社を訴える
日栄動力工業株式会社
工事経歴概要を見ると、原子力部門で定検や建設工事で大活躍しております。2006年度以降の更新がないので、ぜひ掲載してほしいです。
こういった原発関連のニュースをボチボチ見てきていますが、元作業員が下請け会社を訴える事例は初めてみました。もし、その他知っている方いたらぜひ教えてください。
給料を支払っていたのは前田工業（長崎県松浦市）
放射線管理手帳上の所属会社は、大和エンジニアリングサービス（同県佐世保市）になっていた
前田工業（ホームページなし）
大和エンジニアリングサービス（ホームページなし）
下請けを繰り返す中で、大和エンジニアリングは日当と危険手当の計二万四千～二万五千円を下請けに支払ったが、男性には一万千円しか支払われていなかったという。 |
大和エンジニアリングは「請負契約であり、多重派遣ではない。下請け会社には危険手当を含めた金額を支払った」と説明。前田工業は「上にたくさんの会社があるとは知らなかった」 |
ここから作業員の方の思いのこもった文章のため、全文転載しました。
◆建屋外と事前説明／実は高線量要員 福島第一原発の収束作業で危険手当の未払いなどを申し立てる元作業員の男性は、本紙の取材に、原発の建屋外の作業だと説明されていたことや、被ばくの恐怖と闘いながらの作業だったのに正当な手当が支払われない怒りを語った。 二十キロの鉛板を入れたリュックサックを背負い、防護服に全面マスクを着け、１号機原子炉建屋の急階段をビル六階の高さまで駆け上がる。線量計の警報は鳴りっぱなし。緊張と息苦しさで心臓が破裂しそうになる。「早く終われ、早く終われ」。男性は心の中でつぶやき続けた。 昨年七月に携わった作業を男性が振り返った。建屋内にいたのは十分弱だったのに、二・四ミリシーベルトも被ばくした。一般人の年間被ばく上限の二倍以上もの線量だ。建屋内に局所的に線量が極めて高い場所があることなどが影響したとみられる。このほか男性は高濃度汚染水を処理するための配管作業など、被ばく線量の高い作業に当たった。福島第一での作業は一カ月あまりだったが、この間に計約一二・三ミリシーベルトも被ばくした。 原発作業員の被ばく上限は五年間で一〇〇ミリシーベルト。年平均二〇ミリシーベルトが作業員の手持ち線量だ。男性の場合、わずか一カ月で半年分を使ったことになる。 下請け会社も自社の社員が線量を使い切ってしまうと、次の仕事を取りにくい。そこで男性のように臨時の作業員を雇うケースが出てくる。男性は「自分が（被ばく線量の高い作業を短期で担う）高線量要員だったことを後で知った」と話し、「約束した賃金は少なくとも払ってほしい」と訴えた。 |
今日現在の時点でこのニュースを流したのは東京新聞のみ。やはり東京新聞は一味違います。しかも、署名記事です。海外では当たり前のことでも、日本で署名記事というのはほとんどないです。
福島第一原発の作業に当たっている作業員。この方は必死に作業されています。しかし、それを食い物にしている東電と下請け会社。本気で福島第一原発の収束をしていくのであれば、このシステムを変化させないと作業に従事する人がどんどん減っていくのではないでしょうか？
