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過去記事です。

セシウムを少し詳しく知る―内部被曝を知る礎14

「内部被曝を知る礎」シリーズ。第14回。

放射性核種を詳しく知る。今回はセシウムです。
セシウムの線種はガンマ線でしょうか?ベータ線でしょうか?
ここはきちんと知っておきたいところです。


セシウム137の壊変




セシウム137は、陽子が55個、中性子が82個の原子です。
この状態では非常に不安定なため、ベータ線を出して安定に向かいます。そのうち、5.6%はそのまま安定したバリウム137となります。しかし、94.4%はバリウム137m(m=メタステーブル)という放射性バリウムに変化します。

放射性バリウムは、半減期2.6分(と考えるとベータ崩壊した後、すぐ!!)で、ガンマ線を放出し、バリウム137になり、安定します。

ベータ線とほぼ同時にガンマ線を放出する原子です。要するに放射線が2本でてしまうのです。セシウムはベータ線。その後の放射性バリウムがガンマ線です。


さらに、セシウムがやっかいなのは、変化後がバリウムであること。Wikipediaの「バリウム」の項目、危険性のところで

「多量のバリウムは神経系に影響をおよぼし、不整脈や震え、筋力低下、不安、呼吸困難、麻痺などを引き起こす。これは、神経系が適切に機能するために極めて重要なカリウムチャネルをバリウムが阻害することによる。しかし、硫酸バリウムは水や胃酸に対してほとんど溶解しないため経口摂取することが可能である。他の重金属とは異なりバリウムは生物濃縮しないが、バリウム化合物を含む粉塵を吸入した場合には肺で蓄積されてバリウム症(英語版)と呼ばれる良性塵肺症を引き起こす。

このような毒性のため、日本では毒物及び劇物取締法第二条七十九により硫酸バリウムおよびバリウム=4-(5-クロロ-4-メチル-2-スルホナトフエニルアゾ)-3-ヒドロキシ-2-ナフトアート以外のバリウム化合物は劇物に指定されている。」


(セシウムのポイント)
(1)セシウムはベータ線を出す物質

(2)放射性物質1個が出す放射線は1本とは限りません。

(3)セシウムの出すベータ線はホールボディカウンターでは検出されません。ホールボディカウンターで検出できるのは、セシウムが壊変した後の放射性バリウムが放出するガンマ線です。

(4)セシウムは壊変後のバリウムも危険であること。毒物及び劇物取締法第二条七十九で劇物に指定されている神経に悪影響を及ぼす恐ろしい物質です。





内部被曝を知る礎

この内部被曝を知る礎という連続記事は、管理人の内部被曝を知るためのパワーポイント資料を元に少し手を加えて作成しています。

1.放射性物質、放射線、放射能の違い
2.放射性物質から放射線が出る映像
3.放射性物質は集団を形成し、埃にのって飛ぶ!
4.被曝の危険
5.被曝の初期症状
6.被曝による免疫力低下の恐ろしさ
7.外部被曝はガンマ線だけでなくベータ線も影響があります
8.内部被曝とは
9.内部被曝のイメージ
10.放射線によるDNAの切断と異常再結合
11.内部被曝により異常再結合が起きた染色体の画像
12.ヨウ素を少し詳しく知る
13.ストロンチウムを少し詳しく知る
14.セシウムを少し詳しく知る
15.セシウムが取り込まれる場所
16.プルトニウムの恐怖

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