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過去記事です。

インドの新聞、The Hinduに掲載されたチェルノブイリ関連の記事「チェルノブイリ事故から学ばなかったことが今回の福島第一原発事故を悲惨なものにした」

4月26日付けのインドの新聞、The Hinduに以下の記事が掲載されました。

The Hindu : Opinion / Lead : Twenty-five years after Chernobyl

http://www.thehindu.com/opinion/lead/article1766914.ece


長い記事のため、日本語で要約しました。

チェルノブイリから25年
世界的原子力ロビーのために、チェルノブイリの真相はいまだに解明し尽くされていない。フクシマについても真実が明らかになることは決してないであろう。





(以下、要約)

チェルノブイリ事故の被害について、現在も激しい議論が続いている。天野IAEA事務局長は先週キエフで開催された国際チェルノブイリ会議で「チェルノブイリ原発の事故処理に関わった作業員のうち約50名が死亡した」と述べた。これに対しグリーンピースは、約27万人が癌を発病し、9万人以上が死亡したと報告しており、ロシア大統領の元環境アドバイザー、ヤブロコフ博士(Dr.Yablokov)も、2004年までに約98万5千人が癌などで亡くなっているとしている。二年前には、ロシア語で「チェルノブイリ」と題された本がニューヨーク科学アカデミーにより英語で出版された。(英語タイトルは“Chernobyl: Consequences of Catastrophe for People and the Environment.“) その後、ヤブロコフ博士はチェルノブイリ事故に起因する死者数は死産を含めると160万人と推定を上方修正した。

IAEAはこれらを否定し、放射線被害による死亡者数は約4千人と公式に発表しているが、これはウクライナの公式データの53万人(1987~2004)とかけ離れている。こうした見解の相違は、 ヤブロコフ博士 の推定が5000もの科学論文や放射線関連調査に基づいているのに対し、 IAEAおよびWHOは350の資料だけで結論を下していることにある。IAEAはチェルノブイリ事故の影響は収束しつつあるとしているが、独立した研究を行っている科学者らは、事態は悪化していると主張している。

「ストロンチウム90、セシウム137およびプルトニウム汚染は地下水とともにチェルノブイリからウクライナを通って広がり始めている。キエフの井戸やDnieper川でプルトニウムが検出されている。チェルノブイリから60kmの地点のβ線量は平常値の1000倍だ」と指摘するのは7年間チェルノブイリ原発に従事した各物理研究者、Anatony Demsky氏。

IAEAは原子力技術の調整役であると同時に原子力の平和利用の促進を目標として掲げており、IAEAの原子力産業との繋がりが調査にバイアスをかけ、事故の影響が過小評価されている。IAEAはその設立後まもなくWHOおよびその他の国連機関と協定を結び、いかなる活動も互いに相談なく開始しないことに合意した。この協定は、事故の中期および長期的影響調査から多くの症例が除外されるという結果を生んでいる。

ヤブロコフ博士によると、チェルノブイリの事故処理にあたった80万人以上の作業員のうち、12万5千人が死亡している。チェルノブイリで4年半に渡り降下物調査を行った14名の研究者チームの唯一の生存者であるマンスローヴァ博士(Dr. Mansurova)は、「チェルノブイリ事故以前にも原子力発電所から放射性物質が漏洩する事故は世界中で350件も起こっていたのに、我々は何も学んでいない。フクシマ型の事故が起こったときにどう対処すればよいのか、モデルはなんら作られて来なかった。現場の作業員は暗中模索している状態だ」と述べている。

アレクサンダー•コヴァレンコチェルノブイリ原発元所長も、チェルノブイリ事故から学ばなかったことが今回の福島第一原発事故を悲惨なものにしたと見ている。ロシアの原子力関係者すらもが、日本政府は情報を操作しているとの考えだ。キエフでの国際会議で天野 IAEA事務局長は「国際安全基準を改善し放射線リスクに関する情報の透明性を約束する」との意思を表明したが、 IAEAとWHOおよびその他の国連機関との協定を無効にするべきだという批判が高まっている。


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