9月26日退職。
第1部 古賀氏講演
電力関係事業に見られる傾向
(1)情報を隠す、ださない
(2)間違いを認めない→謝らない
��3)責任を取らない(責任を取りたくない)。リスクを取らない。
◇九電ヤラセ問題
第三者委員会の調査にて佐賀県知事である古川氏の関わりが決定的であることが判明した。しかし、九電は経産省への発表時そのことは伏せていた。
その後、経産省が問題を調査し、過去に同様のヤラセ問題があったと発表。発表したことで市民権を得たようにも見えるけど、実際には過去5年間しか遡ってない。それが
10年以上に遡ると飛躍的にヤラセの数が増えることがわかっているため。そして、当時経産省幹部が、現在資源エネルギー庁にいることも関連している。
経産省のヤラセ問題への対応
関わった人の処遇は、戒告(気を付けろよ)と訓告(非公式処分、その人の評価にかかわらない)のみ。
「経済産業省の松永和夫事務次官(59)、寺坂信昭同省原子力安全・保安院長(58)、細野哲弘同省資源エネルギー庁長官(58)は更迭」と報道されたけど、実際には普通の退職で、退職金もしっかりもらっているということ。
◇今回の原発事故
東電 退職した役員は一人もいない。社長のみ。
政府 海江田氏は辞めると言っていたけど、未だに残っている。
枝野氏(SPEEDI情報隠蔽、メルトダウンの証拠はない、「直ちに影響はない」の罪)は責任を取る気がない上、経産省大臣になってしまっている。
中村幸一郎審議官
原子力安全・保安院唯一の原子力工学専門家。
メルトダウンのことをほのめかし、更迭されてしまった。。。
海江田氏が経産大臣の時代の話
海江田大臣は「いつでも部屋の鍵は開いているよ」と言っていた。そこで、古賀さんはアポをと
って会いに行く。会談の模様をマスコミにオープンにしてくれという話もしていた。
その会話の模様(古賀さんの話を元に再現したので正確ではないです。)
古賀(以下古)「はじめまして」
海江田(以下海)「初めてだったかな?」→すわって「マスコミフルオープンなんてね。もうい
いだろ?」
古「ダメです」
海「なんで、なんで、なんで??(なぜか3回聞いたとのこと)」
古「みんな注目してますよ」
海「非常識だ」
古「私はそう思いませんよ。困るのですか?」
海「困らないよ」
とどうしてもマスコミがいることをずっと気にしていた。
ちなみにこの会談後、古賀さんの記者会見が開かれたのですが、1Fノロビーで行われたとのこ
と。会見室は役所の一番いい情報を出す人が使う所。役所に刃向かった古賀さんはロビーでの扱
い。
◇年金・定年延長・復興増税などの政調
財務省
1000兆の借金。このままだとギリシャの二の舞だと常にメディアで流れている。また、幹部
が増税など各メディアを回っている。
古賀氏「今のまま増税だとギリシャになる!!」
ギリシャの状況
借金がかさんで返せなくなっている。消費税を増税した(20%)でも破綻。
・公務員の数が多い
・無駄な歳出が多い
増税しても、ダメなのはどうしてか?
稼ぐ力がない!!
日本の状況
・無駄省き
・公務員改革
同じく借金を減らすために稼げない。
消費税1%上げると数年前までは2.5兆円。
しかし、現在は2.1兆円。
現在成長しているように見えるけど、物価が下がっているだけ。経済は縮小してしまっている。
今後、借金を返していくためには、稼げるような社会に!!
今後、期待できる分野。農業・医療・再生エネルギー。しかし、
農業(農協) 株式会社参入不可
医療(医師会) 株式会社参入不可
再生エネルギー(電力会社) 企業の殆どが参入不可
という壁が立ちはだかっている現状がある。
財務省はこの壁とは戦わず、一番弱い消費者をターゲットにしている。
��弱きを助け強きを挫くという精神は全くなく、強きを助け弱きをくじく最低な体質)
政治家に投票するだけでなく、直接意見したり、個人献金を。
戦う成長戦略。
第2部 古賀茂明氏と長谷川幸洋氏(東京新聞論説副主幹)対談形式
長谷川幸洋氏の提案から
今後の課題は「日本再生」
日本はバブル崩壊後、なぜずっと停滞し続けているのか?
そして、これは永田町の中心課題にもなる。
なぜ停滞し続けているのか?(会話形式ですが、それぞれの主張をまとめてます。言葉を挿入すると誤解が起きる原因があるため)
長谷川幸洋氏(以下長)「霞が関に原因がある。」
古賀茂明氏(以下古)「霞が関は成長阻害の原因となっている自覚はなし。そして、なぜ批判されているのかわからない。特に財務省はわかっていない。」
長「財務省は財政政策。日銀は金融政策。=マクロ経済。しかし、ここは成長エンジンとなりえない。経産省が中長期的政調を支える」
古「成長戦略について、昔はすべての分野にまたがってやっていた。しかし今、他の役所のテリトリーを侵すことはない。」
長「低い生産性部門から高い生産性部門への進路変更。例えば、繊維から自動車など。今はその気概があるのか?」
古「ダメな企業、産業はなくなり、強い産業が残っていく。そして、日本は資源の移動による成長が小さいのが特徴。」
※資源の移動について
A社 従業員100人 利益100億円
B社 従業員100人 利益50億円
これをA社に統一。A社 従業員200人 利益200億。
明らかに2社分かれている時より、儲けが多い!これが資源の移動。
長「日本経済の構造。例えば繊維から自動車への大きな舵取りは実は外圧だった(経産省が糸引いたわけではなかった)」
古「守る発想がいつの間にか失業者から企業に変わった。ダメな企業(労働条件が劣悪だったりする)まで救済しているような事態になっている。ダメな企業はつぶし、失業した人は職業訓練を受けつぎの仕事につけるようにする。」
TPPについて
長「賛成の立場です。日本人はずっと改革出来なかった。外圧での成長ばかりだった。農業や医療、電力、政府調達など変化を」
古「賛成。このままだと改革できない。この状態が続くと破綻する。破綻してやらされることはTPPにあること。交渉しながら先のことを考えられる、そして、コントロールされながらではあるが痛みを伴う改革ができる。」
※民主党はこの問題を放っていた。TPPもFTAも。今頃になってあせっている。本当はもっと議論を重ねていって結論を出さなくてはいけない課題なのに、今頃動きだした。これでは覚悟を持って議論できないので危険。
TPPは加入して途中で辞めることもひとつの手。日本が入ることはアメリカにとって喜ばしいこと。これを切り札にする手もある。
長「
TPPは例外なき自由化。交渉は例外を作るためのもの。ただ勘違いして欲しくないのだけど、TPPはただの通り道でしかないこと。最終的にはFTAAP(Free Trade Area of Asia-Pacific=アジア太平洋自由貿易経済圏)になる。
」
古「現在日本の農家を守る方法。1.価格を高くする。2.個別所得補償。
関税が下がると食品の価格が下がる。
そして、関税を下げると農業が壊滅は本当か?山形さくらんぼの例ではむしろ美味しさを認識され、地元の努力もあり、山形さくらんぼとしてのブランド力がついた。」
※日本は先進国で農業人口は2位になっている。しかし、イギリスやフランスのような効率の良さがない。
長「日本が変わるきっかけ=外圧=TPPではないのか?」
古「日本の電力のあり方、東電のあり方
変わろうとしているのか?変わらないのか?
政府はどっちを向いているのかわからない。
東電自身は存続し続け、地域独占を守ると示している。
経産省は守るという形で進む。
○経産省は頭が固定している。原発は必要だと思っていて、なくすという発想をしたことがない。なので、古賀さんが話を持ちかけても議論にならない。みんな同じ方を向き、議論する能力がないため。」
長「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)はとんでもない法律!!
賠償は当面国が払う。しかし、返済計画なし、まるまる東電がもらうことになるのか?
政府→機構→東電。エネ庁は返済する必要はありませんと回答。
賠償額 4.5兆円+8兆円(今のところの除染費用)=12.5兆円。誰に請求するのか?
環境庁は東電に払ってもらうと回答。東電に返済能力はあるのか?年に捻出できて1000億円。125年返済計画??そんな馬鹿な?もしかしたら??
このような事故が起きても、東電を守るスキームがあるのは外圧がないから。
��0~15年前ならアメリカが許さんといってきたはず。しかし、アメリカは現在日本にほとんど関心がない。今後の経済を左右するスマートグリッド。その優秀な技術を保有する日本は注目されていた。しかし、発送電分離がいつまでもされないのでもう相手にされない。
3.11→復興特区→発送電分離しない→終了」
日本国内に外圧はあるのか??
あるとしたらメディア。
しかし、メディアは霞が関に依存している。
記者クラブ ○役所に場所を借りて、詰めている。
○他に会社に遅れないように
古「自分で勉強をしている記者がいない。全部役所の人に聞いて教えてもらっている。その勉強の仕方と他社に抜かれることがないように役人といい関係を持ちたがる。これが特徴。役人は役人でこのことをわかっているので、自分たちに都合に悪い記事を書く記者がいると出禁にしたり、その記者には情報を流さないようにしている。これが大本営発表につながっている。」
長「古賀さんは記者クラブの会見に呼ばれたことあるんですか?」
古「呼ばれないですね」
みんなができること
まだまだ危機感を持っている人が少ない!!
意見を発信すること
まとめ(ボクの意見)
へたに文章をまとめようとすると主観が入りそうなので、メモ書き、箇条書きという形でまとめてます。
古賀茂明さんはずっと経産省にいた官僚。その立場の人から聞ける話というのはとても新鮮。新しい視点からの話は目からウロコでした。
原発について。官僚は原発ありきの視点しかない人ばかりであること、これでは議論が活発にならないし、思考が一様になってしまう。メディアもそうだけど。もっと多様な視点がなくてはいけないのではないでしょうか。
日本の財務について。確かに増税しても何も結果が変わっていない現実。そして、ギリシャに近づいている状況。必死になって国を良くしようという官僚が現れるか、まーいないでしょう。
TPPについて。今の腐った体質に変化をもたらすという意味ではたしかに必要かなとも思います。しかし、危険な遺伝子組換えの食品が入ってくる・医療保険が崩壊する可能性が出てくるというかなりきついリスクを背負うことになる。現在の政府はそこの所が全くわからないまま交渉に臨むという危険な状態にいる。大丈夫なの?民主党さん。
現在、官僚は天下りのポストを用意できると昇進するというおかしなことがはびこり、公僕と言われる国民のために働いている人がいなくなった。こちらも変わっていく必要があると古賀さんはおっしゃっていたけど、そこまで気骨のある政治家も少ないので今後どうするか。
TPPについて。
ボクは農業が壊滅し、医療保険が特に危ないということ故反対だと思っていました。しかし、改革を促すという意味では必要かもしれないという思いを抱いてます。さらに、FTAAPの先駆け的存在になれるのであれば、早めに参加して発言権を高めるというやり方もありなのでしょうか。頭ごなしに反対するのでなく、交渉を進めてある程度自分たちに有利に持っていける現状があるのであれば、受け入れざるをえないのでしょう。週刊プレイボーイではこのままだと1年以内にギリシャになると言っている。破綻してしまったら交渉の余地すら無くなる現状を考えると、どちらがいいかは明白かもしれません。
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