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過去記事です。

東京都豊島区の都営アパートでの孤立死の続報

二人暮らし、あだに 「障害者と高齢者」世帯 見守り漏れる(Tokyo Web)


東京都豊島区の都営団地で先月二十八日、発見された七十代の母親と四十代の長女の孤立死は、一人暮らしより安心と思われがちな「二人暮らし」があだになった状況が、関係者の話から分かってきた。長女には精神障害があり、高齢の母親との暮らしはかえって社会的な孤立を深めやすかったのではという指摘もある。

もしかしたらという思いがありましたが、やはり高齢の母親と精神に障害のある長女の二人暮らしだったんですね。

以前の記事はこちら
都営アパートに孤立死とみられる女性2人の遺体








団地住民によると、親子は取り壊しが決まった区内の別の都営団地から数年前に引っ越してきた。一緒に移ってきた女性は「前から近所付き合いのない家だった。訪問しても顔を出さないので、配布物をドアの下から入れた」と話す。

近所付き合いがなかった。東京では当たり前のことだけど、配布物をドアの下から入れるほどとは…



区は、二人に生活保護の受給歴はなく「生活に困っていなかった」とみる。区の高齢者対策として調査や見守り、配食のサービスがあるが、いずれも対象は単身か高齢者だけの世帯で、京子さんには当てはまらない。崇子さんが障害者という情報は、区の高齢者福祉の担当には伝わっていなかった。

①高齢者対策は、調査・見守り・配食サービスがあるが、どれも受けていない??
②崇子さんが障害者問情報は高齢者福祉担当に伝わっていない

これでどうして、「生活に困っていなかった」と見るのでしょうか。
生活保護の受給歴だけで物事を判断するのでしょうか?


崇子さんは、パン作りをする区内の福祉作業所に月二~四回程度通っていた。最後に行ったのは六月二十九日。一カ月近く連絡無しで休んでおり、一人暮らしの利用者であれば作業所の職員が様子を見に行くケースだが、「お母さんと一緒なので大丈夫だと思い、安否確認しなかった。まさか二人で亡くなるとは…」と代表の男性は話す。

福祉作業所の話。
通常1か月連絡なしで休んでいたら、家族がいたとしても連絡入れるなり、訪問するものだと思います。



六月十四日に一度だけ、区の地域包括支援センターの職員が二人を訪問した。京子さんの通う病院から「受診予約したのに来ない」と連絡があったためだ。崇子さんとは穏やかに会話できたものの、京子さんから「来てほしくない」と強く拒否され、それ以上の介入はしなかったという。

地域包括支援センターの職員。
「来てほしくない」と言われたから介入なしって…
○「来てほしくない」理由を確かめたのか
○それでも、訪問して、話して、関係を築いていくのが地域包括支援センターの職員の仕事ではないのでしょうか。



二人暮らしだからこそ、異常を見落とされた上に、「社会的な孤立をより深めたのでは」と東京都精神障害者家族会連合会の野村忠良会長はみる。

二人暮らしだから安心と勝手に思い込む人がいる。それが想像力の欠如。

 ボクは一人暮らしよりむしろ二人暮らしのほうが危険であると考えます。というのも、一人暮らしの人は誰かが必ず見てるし、自立心の強い人が多い。

 そういう意味では、二人暮らしの方が危険であると言える。今回はなかったけど、一人では起きえない事態を考えなくてはいけないのです。虐待・DVや依存など。


精神障害の子どもを抱えた親は、世間に気兼ねして生活を隠そうとし、交流しなくなりがちだ。野村会長は「ふだんから『子どもと一緒に死にたい』と考える人も少なくない」と話す。「今回のケースは、そういった親の感情に長女が巻き込まれて生活していたのでは」と推察する。

世間はハンディキャップを持った人に対して冷たいです。
今回に関しては次の文章を読んでから考えたほうがいいです。



崇子さんは八年前から数回、一人で区の相談窓口を訪れ、将来の不安を訴えていた。

区の相談窓口に行っているという事実。
ここで始めからきちんと対応していたら、防げた事態なんです。


野村会長は「母親から独立して暮らしていれば、二人が一度に亡くなって見つかるという悲劇にはならなかったかもしれない。障害者の自立を家庭だけでなく、地域で支援する体制が必要だ」と話している。

母親からの独立を結論付けているけど、本人の話や母親の話は聞いたのでしょうか。

0)8年前から数回、区の相談窓口に行っていた(ここが始まり)
1)近所付き合いがない

2)役所の情報共有

3)施設職員が安否確認しなかった
4)地域包括支援センター職員が介入をあきらめた

これだけの原因が絡み合って起きてしまった今回の事件。地域で支援する体制(ハード面)もあるだろうけど、現状でこれだけの問題点があげられるので、ここを無視して体制づくりしてはいつまでたっても孤立死は防げないでしょう。


お時間あったら、こちらの話もどうぞ。
札幌姉妹「孤立死」事件。の巻(マガジン9)
ボクが孤立死に疑問を抱き、考えるきっかけとなった事件です。

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