患者の甲状腺機能、原発事故後に低下(yomi Dr.)
東京電力福島第一原発の事故後、群馬県内で甲状腺疾患のある患者に、甲状腺機能の低下傾向がみられると、宮下和也・宮下クリニック院長(同県高崎市)が22日、大阪市で開かれた日本甲状腺学会で発表した。 |
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宮下院長は、同クリニックの患者のうち、甲状腺機能が正常な状態で安定し、薬の中断や変更がなく、ヨウ素の過剰摂取や妊娠・出産、花粉症など甲状腺機能に影響する他の要因もない1175人について、事故前と事故3か月以内の甲状腺ホルモン「フリーT4」と甲状腺刺激ホルモン「TSH」の変化を調べた。 |
T3,T4といったホルモンは、血中では大部分が蛋白と結合した型で存在し、一部は遊離した型で存在します。 遊離型をフリーT3,フリーT4(FT3,FT4)と呼びます。 一般的には蛋白の影響を受けないFT3やFT4を測定し甲状腺機能を診断することが多いようです。
FT3は肝臓でFT4から作られるため、FT4がより甲状腺の機能を反映しています。 FT3やFT4が上昇したものを甲状腺機能亢進症とよび、体重減少、発汗亢進、動悸、手のふるえなどの症状を認めます。 TSHは前述したフィードバック機能により低下し、更に脂質代謝にも影響し、総コレステロールは低下します。 これらの症状・所見に眼球突出などの身体的特徴を伴うものをバセドウ氏病と呼ばれます。
FT3あるいはFT4が低下し、TSHが上昇しているとき、甲状腺機能低下症と診断されます。
都ホテル東京メディカルクリニック
その結果、939人(80%)で、フリーT4が低下し、低下を補うために分泌されるTSHは上昇した。フリーT4の平均値は1・37から0・92へと正常下限まで低下、TSHの平均値は1・5から5・2と、正常上限の4を上回った。 |
宮下院長によると、甲状腺機能の低下は、気力の低下や疲れやすさなどを招くが、甲状腺がんの発症に結びつくものではない。「被曝量がわからないため、原発事故との関連は不明だが、これまでこのような変化を経験したことはなかった。変化の原因の検証と長期的な経過観察が必要だと思う」と話している。 |
甲状腺機能の低下により、甲状腺がんの発症に結びつくものではないと。
これは2011年11月の記事。
それから10か月ほどたった現在、関東圏の人が甲状腺の値を調べたら、どんな数値が出るのでしょうか。
これからは子どもの検査だけでなく、ご自身の検査もきちんとして、手元に検査結果の記録を残していくようにしましょう!!