ずっとウソだった: （内部被曝で）一番危険度の高い遺伝子の切断、それから遺伝子が切断されただけでなくて、生物の修復作用があって、つなぎ間違ってしまって、遺伝子が組み替えられてしまう。矢ヶ﨑克馬氏（2/2）

2011年7月25日たね蒔きジャーナル矢ヶ﨑克馬氏出演部分の文字起こし後半です。

（前半はこちら）
原爆による放射線の影響には2つあり、1つは瞬間的に起こった初期放射線、もう1つは核分裂により作り出されたたくさんの放射性の埃による内部被曝。。矢ヶ﨑克馬氏（1/2）

（文字起こしここから）

矢ヶ﨑：
洗い流されてしまった後に測定に（たいきょ？）測定に入らせたというのがアメリカのやり方なんですね

水野：
でも、あのその、台風が来るまでにすぐに測定していた…節はないんですか

矢ヶ﨑：
ええ。あの、それはいろいろあの、測定の結果というのは、あのアメリカが占領する前に日本で測定したものがあったりいろいろしましたが、一切秘密管理で外には知られないようにしていたが実情でありまして、公的に市民に触れるようにしたというのは一切台風が来てからのデータ分析というところで、展開してるんです

水野：
んー

矢ヶ﨑：
それで、あの、こういう結果を受けてですね、あの、今にいたって非常にこの深刻なのは国際放射線防護委員会という、日本の国もあるいは放射線科学の学者先生たちも、全部を国際放射線防護委員会の基準を使って、放射線を防御するために使っているような基準なんですけれども

水野：
はい

矢ヶ﨑：
この基準にですね、内部被曝が見えないようにするという工夫が仕掛けられまして、それでこの戦後、えーとですね、占領が終わった後で日本のこの放射線に、この原爆で、放射線にやられたような人々に、原爆…傷害…

水野：
被爆者であるというふうに認定をするかどうかということを、原爆症の認定をするかどうかという裁判もずーっと続いて、多くの方たちが、私も原爆にあったんだとおっしゃるんだけれども、いやあなたがいたのは爆心地から2キロメートル以上離れたとこだから、あなたは被曝していないんではないんですかという話はずっと続いてきたんですよね

矢ヶ﨑：
そうですね、あのー、私が今言葉として出てこなかって大変失礼しました

水野：
いえいえ

矢ヶ﨑：
原爆医療法というのが1957年に作られましてね、あの、この基準そのものが内部被曝を一切無視して作られてしまったもので、それで今、水野さんがおっしゃったように、被爆者があの大変つらいがんなどにかかっていても、あなたは放射線に一切浴びていないので、原爆症ということが言えませんていって、国がはねのけていて、それに対して、それはあの、やっぱり事実誤認、不当であるということで訴えたのが原爆症認定集団訴訟の306人の被爆者の方であったわけですね

水野：
そうした中で矢ヶ﨑先生は科学者の立場から、内部被曝というものをきっちりと認めるべきだということを証言をしてこられたわけですけれども、この内部被曝については、じゃ、本当は日本もいろんな調査を、データを本当は持ってるんでしょうかね

矢ヶ﨑：
えーとですね、あの、いろいろな測定ということはアメリカが占領してたのが、日本独自のそういうものは一切許されずにきたもんですから、事実上アメリカが持っているデータで作られてきたわけなんですけれども、このアメリカが単に広島・長崎の現場の放射性降下物をなかったことにしたというだけでなくて、国際放射線防護委員会の基準にそれを入れ込んだというところが大変壮大な意味での、この科学的ごまかしをしている舞台を作ってしまったわけなんですね

水野：
あの国際基準と言われますと、私らしろ、私のような素人は弱いんですよ。それがあたかも本当に科学的に証明されたもんなんだというふうに私なんかは思うわけですね。で、例えば矢ヶ﨑先生、今福島の子どもさんたちを守るために、子どもさんたちが活動する学校の校庭の土をどうするかという時に、年間20ミリシーベルトっていうのを基準に考えるという考え方がありますね

矢ヶ﨑：
はい

水野：
これには内部被曝の量は入っているんですか

矢ヶ﨑：
いえ、あの、これはですね、そういうふうにICRPで勉強してきた方が内部被曝を知らない、そういう立場から、あの、内部被曝なんか起こったとしても外部被曝の100分の2,3しかないよという、そういう判断からこんなとんでもない数値を出してきているんです

水野：
あ、そうですか。矢ヶ﨑先生からご覧になると年間20ミリシーベルトというのは子どもたちに適用するのはとんでもないですか

矢ヶ﨑：
ええ。とんでもないことです。通常の公衆、あ、みんなという意味ですが、公衆の限度値というのは1ミリシーベルトというふうに言われておりますけれども、この1ミリシーベルトという量が、分子切断をどれだけの個数やれるかっていうと、80兆個ぐらいのものになるんです

水野：
内部被曝でものすごい分子を、体の分子を切断するんだって教えてもらったんですが、80兆個の分子を切断するんですか

矢ヶ﨑：
そうですね。これだけの量が1ミリシーベルトでちょうど人間の体に80兆個の細胞があるというもんですから、細胞にもっと平均的に言えばですね、細胞に1個ずつに分子切断をばらまいたようなそういう量なんです

水野：
それが1ミリシーベルトで体の分子全部に1個ずつ切断されるようなぐらいの量

矢ヶ﨑：
ええ。それがですね、あの、外部被曝的に申しますと、細胞に1個ずつだということになりますけれども、現実にこの内部被曝で被曝するときには、非常に濃く分子切断される部分とあんまり切断されない部分が入り乱れて来ましてね、それでこの、個々、密度が高く切断される部分というのは、実は一番危険度の高い遺伝子の切断、それから単なる遺伝子が切断されただけでなくてですね、生物の修復作用があって、修復作用の結果つなぎ間違ってしまって、遺伝子が組み替えられてしまうというそういう層が出てくるんですけれども

水野：
はい

矢ヶ﨑：
これが内部被曝に対して非常に大きな意味を持つ危険度になってきております

水野：
はー、矢ヶ﨑先生、1ミリシーベルトの意味がわかりましたし、1ミリシーベルトという数字だけではなくって、外部被曝と内部被曝というスタイルが違ったら、影響がどんなに違うかというのが、わたくしおぼろげながらわかりましたが、まだまだ福島の問題で皆さんお聞きになりたいことがいろいろ出てくるかと思いますので、また日を追って、お話を伺わせて下さい

矢ヶ﨑：
はい

水野：
どうもありがとうございました

矢ヶ﨑：
はい。あの、今日もどうも、話を聞いていただきまして、ありがとうございました

水野：
こちらこそありがとうございます

平野：
ありがとうございます

矢ヶ﨑：
はーい。それじゃ失礼しますー

水野：
失礼します。琉球大学名誉教授矢ヶ﨑克馬さんでした

（前半はこちら）
原爆による放射線の影響には2つあり、1つは瞬間的に起こった初期放射線、もう1つは核分裂により作り出されたたくさんの放射性の埃による内部被曝。。矢ヶ﨑克馬氏（1/2）