山口県に住む元准看護師の河村三枝さん(52)が中皮腫を発症したのは、医療用のゴム手袋を滅菌する作業でアスベスト(石綿)を吸入したのが原因だとして、山口労働基準監督署が労災認定していたことが27日、分かった。認定は7月24日付。 |
これは重要な問題。他にも多くの方が当てはまりそうです。
支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によると、看護師や准看護師が医療現場の作業を原因としてアスベスト被害で労災認定されたのは全国で初めてという。同会は「医療用手袋の再利用はかつて医療現場で広く行われていた。被害が広がる可能性がある」として注意を呼びかけている。 |
その手袋の再利用の作業の場所によっては、空気の循環などで患者にまで届くような事態は起こらないのでしょうか…
河村さんは1981~86年、山口県内の産婦人科医院に勤めていた際、月に数回、医療用のゴム手袋を再利用するための滅菌作業を担当。手袋を洗った後に袋に入れ、「タルク」と呼ばれる打ち粉をまぶす作業をしており、その際、打ち粉に含まれるアスベストを吸い込んだとみられる。 |
「当時は何も知らずにタルクを使い、マスクもせずに素手で作業していた。顔は真っ白になった」。河村さんは月2、3回、5畳半程度の部屋で作業し、室内には粉が充満したという。石綿被害の労災認定で 元准看護師が記者会見(読売新聞)
医療用のゴム手袋を再利用するというのは今では全く考えられないのですが、以前は行われていたようです。その際に、タルクをまぶす作業をしており、これは昭和62年(1987年)ころまで行われていたようです。
タルクは白色の石で、細かく砕き粉にしたものは医療現場のほか、工業製品の製造やベビーパウダーなどにも使用されていたが、石そのものにアスベストが混入していることが発覚。2006年以降はアスベスト含有量0.1%超のタルクは製造や使用が禁止された。 |
河村さんは09年12月、転職のために受けた健康診断で中皮腫と判明。11年8月に労災を申請した。27日に大阪市内で記者会見した河村さんは「私の認定をきっかけに多くの人がアスベストや中皮腫に関心をもって早く被害に気づき、新たな労災認定につながればうれしい」と話した。 |
海外では医師が中皮腫との報告も=吸引から10~40年の潜伏期間(時事ドットコム)
厚生労働省によると、これまでにタルクにより労災が認定されたのは17件。内訳は製造業が15件、建設業が2件で、医療従事者が労災認定されたのは日本では初めて。 |
こちらでは動画で手袋にタルクをまぶす作業風景が見られます。
河村さんインタビュー文字起こし
この動きが広がっていってほしいです。微力ながら情報に注意していきたいと思います。
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
(00:58) タルクを使ったことがある。でも、どこで発症したかわからないという人もやはりいると思うんですよね。 私のことを知って、それがきっかけになって、また労災のほうにつながるということになれば、それはまた嬉しいことです。 過去そういう言うことをした経験をがある人も、もしかしたら私も何か関わりがあるかもしれないと思って、自分の健康に注意していただく関心を持っていただくという、そのきっかけになればうれしいと思ってます。 |
この動きが広がっていってほしいです。微力ながら情報に注意していきたいと思います。
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会