「市民の皆さんは100ベクレルで大丈夫だとか、50ベクレルまで大丈夫だとか、そういう考え方を絶対しないでいただきたいというのは、私、切に訴えます」
(琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏)
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http://nekotoenpitu.blogspot.jp/2013/03/tanemakiyagasaki201204161.html
(文字起こしここから)
平野:
矢ヶ﨑先生、あのー、チェルノブイリのそのあるドキュメンタリー映画を見た時に、現地の子ども達の甲状腺の、切除をですね、多くの切除をしている子どもがズラリと並んでて、非常に私ショックを受けたんですけども、
矢ヶ﨑:
はい
平野:
そういう可能性もあんまり想像したくないんですけど、福島の子ども達にも今後起こりえるというということなんでしょうかね
矢ヶ﨑:
はい、あのー、その点はですね、例えば、チェルノブイリの西に110~150キロ位行ったところのルギヌイ地区というところの汚染状況がですね、郡山市・福島市よりもむしろ低いくらいの環境にあるんですが、ここのルギヌイ地区の子どもの甲状腺被害というのはですね、5年後に病気がどかっと増えて、10年後にはですね、10人に1人の子どもが甲状腺の病気にかかって、かつ、がんがですね、100人に1.3人くらいで出てくるような割合に増加しておりましてね。汚染状況から言っても、チェルノブイリ周辺の、この、子どもたちのこういう病気の変化というのはですね、他所事ではないというふうに思います
平野:
そうですね。これまだ1年でこれだけ出てるということは、その今の例を聞くと5年後には、かなりの数で似たような症状というか、そういう子どもたちが出る可能性が高いということですかね
矢ヶ﨑:
高いと思います。それでね、あの、やはり、ベラルーシの国の統計なんですが、マリコさんという、今ちょうど日本に来ている学者さんなんですけれども、この人の調べた統計はですね、1986年にチェルノブイリの爆発がありましたが、翌年には子どものがんが増加し始めてる、子どもだけでなく、大人のがんも
水野:
大人もですか
矢ヶ﨑:
翌年にはもう、ええ、大人も。翌年からずーっと系統的に増加しているんですね。あの、この大人だけでなくて、子どもが増加し始めているという、そういうことがね、ベラルーシできちっと科学的に明らかにされている事実なんです、がね、なぜ、日本の政府はそういうことをちゃんと国際的な経験として、日本の子どもたちに適用するということができないんでしょうね。これが今の日本の政治のあり方としてね、私は非常に残念に思います
水野:
そうですよね。それどころかもう、20ミリシーベルト以下だったらどんどん帰す方向ですよね
矢ヶ﨑:
ええ。ええ
水野:
住民の方々はね
矢ヶ﨑:
これもね、大変なことだと思うんです。先ほど言ったあの、チェルノブイリ周辺の3つの国がですね、住民の保護ということをですね、同じ基準でやってるんですけども、ここの国の、まず、移住権利という言葉を使いますけれども、あの、その上のレベルが移住義務と言われている
水野:
あ、移住義務で出て行かなきゃいけない人もいるけど、移住する権利がある人達っていう言い方をするんですか
矢ヶ﨑:
ええ。あの、それで、移住権利はね、ここにいてもいいけども、移住を申し出れば国が責任をもって対処します。ここがですね、年間1ミリシーベルト以上の所で住んでる人は移住権利、5ミリシーベルト以上のところは、(聞き取れず)
水野:
5ミリシーベルト以上のところは、もう義務ですね
矢ヶ﨑:
はい
水野:
移住しなければいけない。そして、1ミリシーベルト以上のところは移住する権利があるから、移住したいっていう人は、国がちゃんと移住させてあげなければいけない。で、日本は20ミリシーベルトだったら帰っていいですよということは、20ミリシーベルト以下のところの人に、避難したいといっても避難させてあげてあげるようなサポートをするっていうことを、国は何もしなくていいというのと一緒ですよね。この20ってどうなんですか
矢ヶ﨑:
あのね。(途切れる)ベラルーシ・ロシア・ウクライナの市民よりも20倍も放射能の抵抗力があるならばね
水野:
日本人にね
矢ヶ﨑:
ええ。それは、日本が20ミリシーベルトだって当たり前なことが(途切れる)ども、そうではないんです
水野:
そうでしょうねー
矢ヶ﨑:
ええ。あの、これもね、れっきとして、周辺3国にひどい被害が現れて、それで、その人、国達が、国民を守るために落ち着いたのが1ミリシーベルト、5ミリシーベルトということになってる。これがね、国際的にもう経験した国がそういうふうにしてるわけで
水野:
はー、せっかくの、その、不幸ではあるけれども、そうした経験があるんだから、それを今活かさないでどうするんだって、しかしながら、今やっていることは逆の方向のように見えます。それと、矢ヶ﨑先生、4月からね、食品、内部被曝の恐れを考えなきゃいけないときに食べ物の話しでね、今まで一般のものが1キログラムあたり500ベクレルという規制だったのが、今度100ベクレルで規制しましょうということになりました。100ベクレルで十分ですか
矢ヶ﨑:
いえ。100ベクレルもね、ものすごく高すぎる値だと思います
水野:
高すぎる
矢ヶ﨑:
ええ。今、一つの例としてですね、ドイツの国が定めている放射線防護の基準、日本の基準の通常で1ミリシーベルト、今は市民に対して20ミリシーベルトに釣り上げられてしまっておりますけれどもね、あの、ドイツは0.3ミリシーベルト以上被曝させてはならないという
水野:
年間に0.3ミリですか
矢ヶ﨑:
0.3、はい。それでね、ちょっとした計算を、仮定をして計算をすると、あの、食品、セシウムに対して、セシウムの汚染量が1キログラムあたり大人は8ベクレル、子どもは4ベクレルというような値なんですね
水野:
子どもは4ベクレル。なのに、えー、4月から日本は基本的な一般食品は100ベクレルですよね。はー
矢ヶ﨑:
ええ。あの、これはですね、明らかに、ドイツの基準の10倍以上も持っていて、ドイツも、かろうじて健康が保たれるかという、そういう値の限度値として設定しているのの10倍以上なんですね、100ベクレル
水野:
実は、日本はものすごく厳しくなったのかと思いきや、それでもまだドイツの10倍もゆるいということですよね
矢ヶ﨑:
ええ。それに、特にね、今、警告をしなきゃいけないのは、子どもの食べる幼児食が50ベクレルという値になっております。これはね、もう、もし値を入れるならば1ベクレルっていう、あのね、絶対市民の皆さんは100ベクレルで大丈夫だとか、50ベクレルまで大丈夫だとか、そういう考え方を絶対しないでいただきたいというのは、私、切に訴えます。お願い致します
水野:
はい、矢ヶ﨑先生、あの、貴重な情報をいただいてありがとうございました。また、今後も色々教えて下さい。ありがとうございました
矢ヶ﨑:
はいはい。どうもそれじゃ今日は失礼します
水野:
はい、失礼します。琉球大学名誉教授矢ヶ﨑克馬さんでした
(00:08:50)
(文字起こしここまで)
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たね蒔きジャーナル
矢ヶ﨑克馬氏出演分
◆2011年7月20日出演分
セシウムはベータ線を出してバリウムに変わって、バリウムはガンマ線を出す。2本の放射線を出します。矢ヶ﨑克馬氏(1/2)
内部被曝により変成された遺伝子の恐ろしさ。1つは晩発性のがん、もう1つは子どもや孫に伝わること。矢ヶ﨑克馬氏(2/2)
◆2011年7月25日出演分
原爆による放射線の影響には2つあり、1つは瞬間的に起こった初期放射線、もう1つは核分裂により作り出されたたくさんの放射性の埃による内部被曝。。矢ヶ﨑克馬氏(1/2)
(内部被曝で)一番危険度の高い遺伝子の切断、それから遺伝子が切断されただけでなく、生物の修復作用があって、つなぎ間違ってしまって、遺伝子が組み替えられてしまう。矢ヶ﨑克馬氏(2/2)
◆2011年8月1日出演分
(作業員の限度値を上げたのは)労働者の命を軽視する非常にやってはならない決め方―矢ヶ﨑克馬氏(1/2)
外部被曝的にガンマ線で捉えた線量を600倍すると内部被曝の酷さがわかる―矢ヶ﨑克馬氏(2/2)
◆2012年4月16日出演分
甲状腺に溜まるのはヨウ素だけでなくセシウムなども溜まり、嚢胞やしこりの原因となる―矢ヶ﨑克馬氏(1/2)
市民の皆さんは100ベクレルで大丈夫だとか、50ベクレルまで大丈夫だとか、そういう考え方を絶対しないでいただきたいというのは、私、切に訴えます―矢ヶ﨑克馬氏(2/2)
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