よく目にする放射性核種を調べました。今回はヨウ素。沃素と言う漢字で書くこともあります。ヨウ素にはたくさんの同位元素(アイソトープ、記事の一番下に言葉の解説を追記しました)がありますが、私たちが一番良く見聞きするヨウ素131を少しだけ詳しく検証します。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2011/11/04/1313005_07_1.pdf
これは放射性物質の壊変の過程を表した図です。
ヨウ素131という数字について。
ヨウ素は原子番号が53番。それが左下の数字です。
原子核は陽子と中性子で構成されています。
原子番号53番というのは陽子の数です。この陽子の数が原子を決めるのです。
さらに、「131」と言う数字は、陽子と中性子を足した数、すなわち、陽子が53個、中性子が78個あるという意味なのです。
この状態は原子にとって非常に不安定なのです。
その不安定な原子は放射線を出して、安定に向かいます。
(この原子の仕組みの詳細、放射線を出す詳しいメカニズムに関してはいずれシリーズを作ります)
ヨウ素131は、安定に向かう際、β(ベータ)線を出して、放射性キセノン131(Xe131m)となります。このmはmetastable(メタステーブル)の意味です。
このXe131mはまだ原子に過剰なエネルギーを蓄えています。そのエネルギーをγ(ガンマ)線として放出し、Xe131となり安定します。
(ヨウ素のポイント)
1.1個の放射性物質が出す放射線は1本ではなく、複数の放射線を出すこと。
2.ヨウ素が出すベータ線はホールボディカウンターで検出はできないこと。ホールボディーカウンターで捉えられるのは、正確には放射性キセノン131(Xe131m)が出すガンマ線。
3.ヨウ素は体に付着しただけで、体内に入るという、独特でしかも危険な特徴を持っています。甚大な事故があった際は、全身の肌という肌を隠して避難しましょう。
4.ヨウ素は半減期が8日。半減期が短いということは、放射性物質の威力が強いということだと管理人は思っています。もし、体の中に入ってしまったら、ほぼ確実に放射線を出してしまい、遺伝子を傷つけてしまうからです!
※ヨウ素は37種類のアイソトープがあり、その中で安定なアイソトープはヨウ素127です。
(解説)
同位元素(アイソトープ)
原子を構成しているのは陽子と中性子と電子です。
原子名は陽子の数で決まります。
陽子の数が同じで中性子の数が違う原子を同位元素(アイソトープ)と言います。
例)この記事はヨウ素の項目ですが、特に有名なセシウムを例にあげます。
セシウム134は、陽子の数が55。中性子の数が79。
セシウム137は、陽子の数が55、中性子の数が83。
陽子の数が同じで、中性子の数が違うので、同位元素(アイソトープ)となります。
内部被曝を知る礎
この内部被曝を知る礎という連続記事は、管理人の内部被曝を知るためのパワーポイント資料を元に少し手を加えて作成しています。
1.放射性物質、放射線、放射能の違い
2.放射性物質から放射線が出る映像
3.放射性物質は集団を形成し、埃にのって飛ぶ!
4.被曝の危険
5.被曝の初期症状
6.被曝による免疫力低下の恐ろしさ
7.外部被曝はガンマ線だけでなくベータ線も影響があります
8.内部被曝とは
9.内部被曝のイメージ
10.放射線によるDNAの切断と異常再結合
11.内部被曝により異常再結合が起きた染色体の画像
12.ヨウ素を少し詳しく知る―内部被曝を知る礎
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