スポンサードリンク

過去記事です。

放射線によるDNAの切断と異常再結合―内部被曝を知る礎10

「内部被曝を知る礎」シリーズ。第10回

放射線によるDNAの切断と異常再結合です。

放射線を出す放射線源である放射性物質を体内に入れてしまうことが内部被曝です。体の中に入った放射性物質は細胞に留まり、そこで放射線を放出します。そして、DNAを切断します。切断されたDNAは間違って結合してしまうことが多いのです。


DNAの構造
DNAの構造
http://nagiwinds.blogspot.jp/p/blog-page_5699.html

まずは、DNAの構造です。
二重らせんになっているのがわかります。



放射線によるDNA切断。一重鎖切断と二重鎖切断
図A 放射線によるDNA切断。一重鎖切断と二重鎖切断
http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/f-kiji/m/e/252541.php

体内に入った放射性物質から放射線が放出されると、上記のようにDNAを切断します。

画像の右側がDNAの一重鎖切断と言われるものです。
破壊力の小さなガンマ線などがDNAを疎ら(まばら)に切断するために起こります。

それに対し、画像の左側がアルファ線とベータ線によるDNAの切断です。DNAの二重螺旋の二本とも切断するため二重鎖切断と呼ばれます。

アルファ線とベータ線は外部被曝では驚くほどの距離を飛ぶことができません。アルファ線とベータ線はものすごいエネルギーで走るために、外部被曝の時ほど距離を飛ぶことができません。そのため、アルファ線とベータ線は体内に入ると恐ろしいほどの破壊力を発揮するのです。このアルファ線とベータ線による二重鎖切断がとても危険なのです。


放射線によるDNA切断と異常再結合
図B

この図はDNAが切断された後、再結合がどのように行われるかを表した図です。
http://nekotoenpitu.blogspot.jp/2012/07/20111123.html

上記の粗と書かれているのはガンマ線によりDNAが疎らに切断された様子です。
図Aで一重鎖切断されたものです。人が持つ免疫力により、一重鎖切断されたDNAはほぼ元通りに回復します。(あくまでほぼです)

それに対して、高密度(α線の場合)と書かれた下図は、全く様相が変わります。図Aで言う、二重鎖切断です。こちらはアルファ線と表記がありますが、ベータ線も含まれます。

アルファ線とベータ線は、放射線が通った跡の全てのDNAを破壊します。アルファ線とβ線が走り、二重螺旋の二重とも切断されると、DNAは元通りに戻ろうとする時に間違ってつながってしまうのです。それがDNAの異常再結合と呼ばれるものです。

このように間違ってつながったDNAは細胞分裂により、間違ったままコピーされて増殖します。それがやがてガン化して、人の体に大きな影響を与えるのです。


参考:
矢ヶ﨑克馬先生スライド
見えない恐怖 放射線内部被曝(松井英介著)



内部被曝を知る礎

この内部被曝を知る礎という連続記事は、管理人の内部被曝を知るためのパワーポイント資料を元に少し手を加えて作成しています。

1.放射性物質、放射線、放射能の違い
2.放射性物質から放射線が出る映像
3.放射性物質は集団を形成し、埃にのって飛ぶ!
4.被曝の危険
5.被曝の初期症状
6.被曝による免疫力低下の恐ろしさ
7.外部被曝はガンマ線だけでなくベータ線も影響があります
8.内部被曝とは
9.内部被曝のイメージ
10.放射線によるDNAの切断と異常再結合
11.内部被曝により異常再結合が起きた染色体の画像
12.ヨウ素を少し詳しく知る
13.ストロンチウムを少し詳しく知る
14.セシウムを少し詳しく知る
15.セシウムが取り込まれる場所
16.プルトニウムの恐怖

記事が良かったなと思ったら、拡散していただけると嬉しいです( ^o^)ノ





◆ブログ記事の充実・内部被曝の小さな勉強会開催のため、
こちらのリンクからAmazonでお買い物していただけると助かります。


にほんブログ村 環境ブログ 原発・放射能へ ◀クリックで人気ランキングに投票を!
クリックするとこのブログが加点され、ランキングが上がります。

訪問者数の多い記事